1981年、イトーキはラテン語で「脊髄」の名を持つワークチェア“Vertebra(バーテブラ)”を世に送り出しました。世界的なデザイナー、エミリオ・アンバスと当時のパートナーが設計し、オランダのオープンアーク社との技術提携によって誕生したこのプロダクトのコンセプトは、「人間優先のオフィスチェア」。身体の動きに合わせて、柔軟に脊髄をサポートする背もたれ、前傾機能を装備したシートなど、人間工学と生体力学に基づく先進の機能が搭載された“Vertebra”は、当時まだビニール張りのチェアが主流だった日本のオフィスに、快適性とデザイン性という新しい価値観をもたらしました。
そして、「人生100年時代」といわれる現代。働き方改革によって、ICTを活用したテレワークやデュワルワークが振興されるなど、ワークスタイルの多様化が進む中、オフィスに求められる役割や機能は刻一刻と変化しています。また、ワークライフバランスという言葉が持てはやされる一方、あえて仕事と暮らしの境界線を設けることなく、その調和を目指すような生き方を選択する人も現れ始めています。
“Vertebra”の初代モデル誕生から今年で38年。
イトーキは、働く環境や人々の意識の変化に応えるために、プロダクトデザイナーに柴田文江氏を迎え、あらためてオフィスファニチャーの在り方を見つめ直すことにしました。目指したのは、旧来の文脈とは異なる、これからの時代の自由な働き方に呼応するオフィスファニチャー。こうした思いと発想から、「働く」と「暮らす」を越境するワークチェア“vertebra03(バーテブラゼロサン)”は生まれました。
各々の働き方や空間に併せて、自在にカスタマイズできる拡張性とオフィスだけでなくリビングワークにも馴染む佇まい。そして、日本のオフィスに革新をもたらした“Vertebra”シリーズのイズムを受け継ぐ、自然と正しい着座姿勢に誘導する先進のメカニズム。一脚のワークチェアから、日本の「働く」をもっと自由に。今までも、これからも日本のオフィスを変えていく、イトーキからの新しい提案です。